

夕方7時過ぎ。 今日も一仕事終えたオヤジ。
晩飯前の晩酌は、毎日のちょっとした楽しみだ。
そんなタイミングを見計らって、オヤジに炭火一番さんの炭火焼レアを見せた。
「食う?」
「ん?ああ。」
炭火焼レアの中身
『炭火焼レア』は、炭火一番独特の製法でいぶしをかけ、丁寧に仕上げ旨みを引き出した逸品。
通常のものより少し大きめにカットされていて、ボリュームを感じさせる。本来は業務用として全国の飲食店でも使用されている、本格派の商品だ。
おもむろに席を立ったオヤジは、台所へと向かうとすぐにフライパンに火をかけた。
ふだんは滅多に台所に立たないオヤジも、炭火焼レアに食欲をかきたてられたらしい。
親父厨房に立つ
真空パックされた袋を開け、ゴロゴロとした炭火焼レアをフライパンの中へ放り込んでいく。
しばらくフライパンを転がしたと思ったら、今度は冷蔵庫から野菜を取り出し、 慣れた手つきで切り始めた。

実は昔、オヤジは喫茶店をやっていた。
結構流行ってたらしいが、本人曰く「時代に見切りをつけて」今の仕事へと移ったらしい。
そんな昔を思い出しているのか、台所に立つオヤジは少し楽しそうに見えた。
「よっしゃ」
手際よく皿に盛り付けられた野菜の上に、ジュウジュウと音をたてたフライパンから美味そうな炭火焼たちが転げ落ちていく。

あっ!という間に
そんな大したもんではないが
『オヤジ風・炭火焼レア&サラダ盛り』、完成!
まずはビールをひと口
久しぶりの自分の手料理を見ながら、満足そうにノドを鳴らしている。
皿の上からのぼる湯気と香りもまた、ビールを進めるのだろう。

意を決して、まず一口目をパクリ!
ハフハフと余熱と格闘するが、スパイスの効いたその絶妙な逸品は口の動きを止めさせてくれない。 しばしの決戦の後、落ち着いた口内で今度はじっくりとその歯ごたえを味わう。 そして、ビールをまたゴクリとやる。
淡々と箸を進めているが、よほど気に入ったのだろう、
明らかにいつもの
それとはペースが違う。
時折テレビを見つつも、炭火焼を味わう時は遠い目をしている。

「やっぱ違うな」
オヤジはポツリと一言つぶやき
また同じ動作を繰り返す。
やはりオヤジの労をねぎらうのは、こんな美味いモノと、美味い酒が一番なのかもしれない。
また今度買ってきて、俺も一緒にやろっと。
お疲れさん、オヤジ!
画像・文章 MW様(男性)
MW様の温かい文章と親父さんの渋い写真、ストリー性もありとても楽しく編集させて頂きました。やはりこの世代の方の深みには勝てませんね。サッとサラダにしてしまう腕も素晴らしいですね。何回も読み返したくなるコラムです。 お忙しい中、ご協力有難うございました。